2007/09/24 (Mon) 17:22
去年の映画だったのに、ぜんぜん聞いたことなかった。今回DVDで観たんです。なので全く先入観なしに観ることが出来ました。邦題は「主人公は僕だった」ですが、日本語でも英語そのままのことわざありますね。「事実は小説より奇なり」って。
★★★1/2です。結構楽しめました。
税務署に勤めるハロルド(ウィル・フェレル)はものすごく几帳面な生活を送っている面白くもなんともない男。恋人もなし。唯一の取り柄は計算がとても速いこと。どのくらい几帳面かというと、毎日同じ回数一つ一つの歯を磨き、同じ時間に寝起きし、同じ歩数でバス停まで歩き、etc.と、とにかく几帳面。
そんなある日、彼が何かする度にその動作を描写するナレーションが聞こえてくる。しかもとても美しくすばらしい言い方で。例えばこんなふう。私が今タイプしているわけだが、それと同時に「メルモは打ちつづけた。今回観たこの奇妙な映画をいかに正確に伝えればいいのかということを考えながら。10時になろうとしている時計を横目に見つつ、今は寝るよりも話を伝えるほうが大事だと自分に言い聞かせながら。」なんていうナレーションがイギリス英語で聞こえてくるわけです。
おかしいと思ったハロルドはヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に相談。カレン・アイフル(エマ・トンプソン)という教授の教え子でイギリス人悲劇作家がその声の主と判明するのだが...
最初、例によってウィル・フェレルなので、当然コメディと思って観ておりました。それにしては大きな笑い場が少ないなー、と退屈になってきつつあったとき、どんどん展開が思わぬ方向へ向かっていって、それでも各所に小さな笑いはちりばめてあって、そしてハロルドは死ななきゃならないのだ、とダスティン・ホフマンが告げるところは一番ぐっときましたね。泣けるというのじゃなくて、ダスティン・ホフマンの言い方があまりにも真剣だったので、このコメディの中で重いところを強調してうまくコントラストを出してるなと、感嘆しました。この小説が完璧であるためには、そしてカレンの最高傑作となる作品なのは確実だから、文学教授として「君は死ななければならない」と真摯に告げたわけです。
そして、エマ・トンプソンもうまいなー。ちょっとイってる感じを非常にうまく演じています。どうやって主人公を殺すかと想像しているところとか、人に合うとびくびく気味になるところとか、猫背とか(あれは自分で考えた演技かな、指導かな。)今まで殺してきた主人公たちに申し訳なく思い、罪の意識にさいなまれるところとか…。
最後はちょっとだけがっくりしましたが、ま、コメディですからね。こんなものでしょう。
日本では今年5月になってから公開したようです。観た方いますか?
